はじめに
日本の育児休暇は、取りづらいという印象があります。
先日、スウェーデンでは、取得率が、9割以上という
数字があることを知り衝撃を受けました。
なぜ日本は、育児休暇が取りづらいとされていたり、
取る人の割合が少ないのでしょうか。
簡単に取る方法や、なにかやり方が異なっているのか、
スウェーデンの休暇のあり方について見ていこうと思います。
スウェーデンの育児休暇制度の移り変わり
スウェーデンの育児休暇制度は、1970年代より導入されており、
各国に先駆けて男性にも適応が開始された制度です。
きっかけは、1972年の家族政策委員会が、父親の育児参加が
子供にとって必要であると言及したことが始まり。
1974年に両親休暇制度が導入されると、親の労働時間と
子どもの保育時間が論議の中心となった。
1978年、社会保険庁が、重量挙げのスター選手を男性育児休業推進
キャンペーンモデルに起用してポスターを作成したりしたが、男性の
育児休暇取得推進には至らなかった。
1980年代はじめアンケートでは、男性が育児休暇を取ることに
「肯定的」な意見が90%あったが実践には、つながっていない。
結局、企業の雇用主にとっては、否定的ならざる負えない制度なのだ。
しかし、1993年に社会大臣を勤めていた国民党元党主が「もはやこの問題は、
家族だけの問題ではない」と国会で発言したことが発端で、父親の育児休暇は、
家族問題に留まらず、企業や労働市場、政治に関わる社会問題となった。
1995年に1ヶ月の「父親の月」が導入されるに至ったのである。
実際この制度ができた以降は、取得率が47%まで上昇した。
休暇割当期間は、現在では3ヶ月まで引き上げられている。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)
スウェーデンの育児の考え方・制度内容
スェーデンにおいて、社会の様々な領域で男女平等の実現に向けた議論がされている。
親の役割は、男性女性関係がない。企業においても、従業者の育児休暇取得を促す取り組みが行われてきている。2017年には、育児休暇と有給休暇を合わせて取得し、6ヶ月感続けて休むのが一般的となっていることも示唆されている。
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スウェーデンでは、取得しないと90日間損をしてしまう。
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両親に対して、育児休暇が480日間与えられる。
また、両親どちらかが最低90日間取らない場合は、その休暇日数が、消滅してしまう。そのため、父親も90日間の育休を取ることになる。
規定では、それぞれ240日ずつの合計480日。390日間は、
所得の80%が社会保険庁より支給される。
父親と母親間の譲渡は、可能である。
しかし、一人あたり最長390日までしか取れない。
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例えば、
母親が390日取った場合は、父親90日取得し、合計で480日になるが、
一般的なスウェーデンの家庭では、母親が最初に300日取得し、父親が90日。
残り90日は、8歳までに使っている。
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上記のように全部いっぺんに使う必要はなく子供が8歳までに使えるというから、
とても便利な休暇だ。家族の時間がとても大切な時間となる。
また、日本では3ヶ月も4ヶ月も休暇を取っていた場合、同じ仕事ができるか
もしくは、昇給がなくなったり、悪ければ左遷されるのでは、といったことを
懸念させるが、スウェーデンでは、取得が当たり前のため、そういった心配は
ないという。
社会の考え方が日本と違う
スウェーデンでは、国民全員に最低5週間の有給休暇を取得する権利が法律で保証されている。仕事よりプライベート優先といった考えの社会となっている。残業も一般的ではない。24時間営業のお店もほぼない。
日本に至っては、現在「働き方改革」が進んでいます。
有給を年5日間取らなければ、雇用主に罰則があります。
やり方によっては、雇用主側で休みを決めて当てはめたり、
今まで好きなときに取っていた〇〇休を強制的に何日に取りなさいと決められるケースも少なくありません。残業時間の削減を強いられる中、業務の目標は、右肩上がりに決められて、目標に行かなければ、給与削減も当たり前の会社も多い。
極端に言えば、無理強いが多いような社会情勢である。
まとめ
最後に育休の話から日本の社会情勢の話になってしまいましたが、
日本人でもそろそろ子供に対する視点と家族の時間の大切さを視点に当て、
子育て世代を暖かく見守る社会へ変革が必要な時代になって来ていると感じます。
スウェーデンのように、育児休暇を取ったとしても所得に不自由しない制度や
休暇を小出しに取れる制度など、社会がそれを当たり前として捉えて実践していく
必要があります。少子化を無くすためにも子育て世代が過ごしやすい社会の実現を
今以上に制度として取り入れていく必要があると感じます。
それについて、以前、小泉進次郎さんが2週間の育休を取るニュースに対して記事を
書きましたが、国会議員自らが率先して取得していく姿勢は、とても立派に感じました。
小泉進次郎議員は、日数「12日間」の休暇を結果として、取ったことになりますが、
実際、取ってよかったと言っていました。
朝日新聞
出生から数日感しか取ってませんが、今後日本でスウェーデンのような育児に対する
休暇制度が進行していけば、少子化を少しでも和らげる結果ができるのではないかと
期待しております。
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