はじめに
2011年。私がデジタルデータの整理に目覚めたその時から、
Evernoteは常に私の傍らにありました。
当時は年間3,000円程度。
経理書類の検索やレシート管理など、
私の「外部記憶装置」としてこれほど心強い存在はありませんでした。
しかし、2026年の更新案内を見て、
私は思わず画面を二度見することになります。
年額:15,800円(通常約17,700円)
「……ちょっと、上がりすぎじゃない?」
かつての「手軽で強力なツール」というイメージはどこへやら。
今や高級サブスクリプションの仲間入りです。
2,000件を超えるノートを抱えたまま、
私はついに「Evernote依存」からの脱却を決意しました。
Notionか、Craftか。はたまた別の道か。
試行錯誤の末に辿り着いた、
「無理に移行しない」という逆転の発想を共有します。
1. 信頼していたツールに感じ始めた「微かな違和感」
長年、確定申告や領収書管理の要としてEvernoteを愛用してきましたが、最近はコストに見合わない「小さなストレス」も溜まっていました。
- 「サイレント・デリート」の恐怖: ノート内の画像を誤って消してしまった際、確認ダイアログも出ずにそのまま消去されてしまう仕様。後で気づいて「あの領収書がない!」と冷や汗をかくことも。
- AI機能による価格高騰?: 昨今のノートアプリはこぞってAIを搭載しますが、その分が利用料に跳ね返っている印象です。私はシンプルに「整理・検索」がしたいだけなのに、必要以上の多機能化にコストを払わされている気がしてなりませんでした。
こうして私は、「自動更新」という名の思考停止を止めることにしたのです。
2. 移行先候補の徹底比較:Notion vs Craft
次に私が取った行動は、有力な2つのアプリへの「引っ越しシミュレーション」です。
① Notion(ノーション):機能性は抜群だが……
移行のしやすさでは、Notionが頭一つ抜けています。
- メリット: Evernoteからのインポート機能がスムーズ。データベース化が得意。
- デメリット: 「スケッチ(手書き)」機能の欠如。 私はiPadでペンを走らせる直感的なメモも大切にしたい派。Notionはテキスト入力には最強ですが、クリエイティブな自由度という点では、少し物足りなさを感じました。
② Craft(クラフト):美しさは最高だが……
MacやiPadユーザーなら、一度はその洗練されたUIに心を奪われます。
- メリット: とにかく動作が軽快で、見た目が美しい。スキャン機能も優秀。
- デメリット: 移行のハードルが高すぎる。 Evernoteから直接データを移せず、ファイルを変換して手作業で調整する手間が必要です。2,000個のノートを前にして、私の心は折れかけました。
プラン比較表
| ツール名 | 年額コスト | 移行のしやすさ | 自由度 |
| Evernote | 約15,800円〜 | ― | 検索が優秀 |
| Notion | 基本無料〜 | ◎(簡単) | DB管理向け |
| Craft | 約8,000円〜 | △(手間あり) | UI・手書き◎ |
3. 検証:「有料プランをやめたらデータはどうなる?」
多くのユーザーが抱く最大の不安は、**「課金を止めたら、これまでの資産(ノート)にアクセスできなくなるのでは?」**という点でしょう。私もそうでした。
しかし、実際に有料期間を終えてみて分かったのは、**「閲覧だけなら今まで通り可能」**という事実です。
これは大きな発見でした。
- デバイス制限: 無料プランはアクセス端末が1台に制限されますが、私は「外出先で確認できればいい」と割り切り、スマホ1台に絞りました。
- 「閲覧専用」という割り切り: 過去の2,000件のノートを無理に移行しなくても、Evernoteを「アーカイブ(倉庫)」として置いておけばいい。
この気づきで、無理な全データ移行のストレスから一気に解放されました。
4. 結論:アプリを「分担」させる分散整理術
一つの高価なアプリに全てを委ねるのではなく、それぞれの「得意分野」を組み合わせる。これが私が見出した最適解です。
- 【倉庫】Googleドライブ: 重たいPDF資料や書類はここへ。検索性は言わずもがな。
- 【アルバム】iPhone写真アプリ: 写真はここ。キャプション(説明文)機能を使えば、画像内の情報もすぐに見つかります。
- 【手書き】Apple純正メモ & フリーボード: Apple Pencilを使うなら、純正が最も低遅延で快適。しかも無料です。
- 【司令塔】Notion: 全ての情報の「目次」をここに作ります。Googleドライブや各メモへのリンクを貼り、Notionを起点に全てのデータへアクセスできる体制を整えました。
まとめ:高機能ツールの「重み」から自由になる
かつてはEvernote一枚で完結するのが正解だと思っていました。
しかし、年間15,800円というコストをきっかけに見直してみれば、
無料ツールの組み合わせで、より快適かつスマートな環境が作れることに気づけました。
もし、
あなたもEvernoteの値上げに頭を抱えているなら、
まずは自動更新を止めてみてください。
過去のデータは消えません。
「すべてのデータをどこかへ移さなきゃ」と焦るのをやめ、
新しい情報は新しい場所へ。
この柔軟な姿勢こそが、現代のデジタル整理術には必要なのかもしれません。
皆さんのEvernoteはどうなっていますか?
「まだ現役で課金中!」「実はもう解約して別のアプリに移った」
「放置してデータが化石化している……」など、
今の状況や移行を迷っているポイントがあれば、ぜひ教えてください!

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